- 作者: 宮木あや子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 文庫
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話題になった作品、やっと読めました。
以前ハードカバーを借りたのですが、その時は読了できず。
最初は入って行きづらく、時間がかかったけど、4作目「十六夜時雨」の頃には大好きになってました。
表題作、わけがわからないスッキリしない状態で読んだせいで、皆さん泣いたとか言ってる場面で何も感じなかったし(爆
疑問文の台詞の語尾に、?の代わりに読点が使われてるのが印象的だったでしょうか。
再読したら、1行目から、ここで死んだの霧里かあ、とハッとさせられます。彼女は不幸のデパートかな。
菊由サンが好きだった。
半次郎を婿にもらった女は、玩具が欲しくて駄々をこねてる餓鬼だと思う。愛じゃない。
えろシーンでいちばん気に入ってるのは八津と三弥吉かな。
八津や三津が言う、「ばばあも多分死んでる」などの台詞における、じじいやばばあという言葉の使い方が好き。
ただ、人物相関図の欲しい小説でしたね。
十六夜時雨がいちばん好き。群像劇してて。
朝霧と桂山の啖呵のシーンはスッとしました。
雪紐観音もも一度読み返した方が良さそうだなあ……緑と三津の関係は……
「姉や」って言葉が実の姉のことだと気づかなくて、ある真相に気づくのに遅れた。
人物相関図が見たいばっかりに激しいネタバレ読んじゃって、微妙に失敗だったかも。
ところで、天保から嘉永の時代の新吉原が舞台のこの本と比べて、LaLaで連載してるおいらんガールって勉強不足? と感じた。岩倉具視が出てくるような時代に太夫はおらん。華やかにするために史実を曲げたのかしら。