「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

あのひととここだけのおしゃべり


もいっかい本を手にとって、まえがきでまた「ああっ、そうか!」と思う。

223Pの「今日はスムーズに会話が出来た」という言葉も痛かったなあ。今年はその種のひとり反省会もけっこうやったもんなー*1

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「今書いてるひとが昔の漫画から学ぶのは話の密度とスピード感」か。ふむふむ。

37P。このページに書いてあることを読んで、私は岡崎京子を読む気なくしました。
羽海野チカの「おしゃれなこととオタクが並列」というのは、わたしもそうありたいからけっこうわかる。杉浦由美子の本だと、「隠れ」オタでいるために必須的な書き方になっていた記憶があるんだがw

で、やまだないとさんと福田里香さんの出番では、けっこう少女漫画を解説してます。どういう「解説」か、をひと言で説明しろと言われてもちょっと大変なのですが。


女の子が好むものは男の子たちほど画一化されていないから、志向がバラける。さらに以前より女性が自己実現しやすくなってきた分、女の子にとって少年漫画が読みやすくなった。なんてのも解説のうちでしょうか。少女漫画の王道っていうのが会わない女の子だっているわけだけどさ。
意外に、「男に認められた女の子しか認められない・いられない世界なのかなとか思えてしまう」ように読んじゃう女の子もいたのかな、と思えてしまったりする今日だったりして。


あたしが苦手なタイプの少年漫画というのは、「女の居場所がない漫画」。
昔からダメだった。
熱いものは嫌いじゃないはずなんですよ。アリスの「チャンピオン」なんか、今聴いてるとガーッと燃えるもんw
BLはあからさまに枠の外から高みの見物できるから読めるんだな、と考え始めています。男同士でも恋愛してる分、ホモソーシャルなところがなさそうで。うん、ホモソーシャルが苦手。すごい苦手。だから対抗して男をはじき出そうという発想になって書いた二次創作もあるwww
ところが、どうやら男のひとにこういった感覚を味わわせているらしい少女漫画が出てきているらしいのだよ。終盤で萩尾先生が指摘しているのでそっちまで待っててね。


三浦しをんの出番では紡木たくの話。
このひとの代名詞のように言われる『心臓がトクン』の話だけど、それに関して「私が今一番直面している問題は」と怒ってたのは、それはあんたが子供だったかなにかだよ、三浦さん(ちょっとニヤリ)。感受性の違いと片付けても良さそうな話だがw
あたしは、そこがまったく、今記憶にないもんwww 今の方が、なんであの漫画を好んで読んでたか説明できそうだがw
上の年代が読んでいたのははみだしっ子だけど、あたしたちが読んでたのがホットロードだった、それだけの違いかとさえ思えてしまった*2
学校にいづらかったけど、あたしには絵里はいなかったんでね*3
あっ! 別マに時々重い作品が入る(「降っても晴れても」とか「キャットストリート」とかね)原因つくったのってひょっとしてコレ?

小学生時代から別マを読んでたけど、くらもちふさこはわかって読んでなかったね。単行本を1冊も買わなかったのって、何処が面白いのか判らなかったんだと思う。くらもちさんの本当のすごさがわかったのは去年の夏でした(苦笑)。
早く大人になりたかったガキではあったがw


「マーガレットとりぼんって、今でもそうですけれどもすごくフォーマットがしっかりしてる」「漫画を普段読まないひとにいかにエンターテインメントとしての漫画を楽しんでもらうか、というところにおいて、少女漫画も少年漫画もどちらも努力している」という意見も載ってるけど、実はこれらはもう過去のものなんじゃないかと思えてきているのが最近の私。特に女子向け。
最近読んでるりぼんの漫画に「それまでのフォーマット」な作品って、見かけない気がしてる。

実際、りぼんは部数減少で非常に苦しんでいるし、おまけにどうやら20世紀最後の5年間に、新人育成に思いっきり失敗したらしいし*4
フォーマットがかっちりしすぎた分、それにとらわれ過ぎた良くない部分が出てきたんだと思う。


「読者が自分で自分の好きなジャンルの幅を狭めるような読み方しか出来なくなったらそのジャンルは終わっちゃいますからね」という言葉はものすごく重いと感じました。これが漫画家の発言じゃないのが、歯がゆいと感じたひといませんか?



BLでずっと活躍しているこだか和麻の話を読んで、なぜか見えたのは「なんで仲村佳樹が花ゆめで人気が出たか」www
今年の14号の表紙を見て「少年誌っぽい絵だなー」と思ったんだけど、そこが良いひともいたんだよね。あたしはこのひとは未だに苦手なままですが。
白泉社の作品って、基本的に、ジャンプあたりの女性読者が対象だから*5。絵が少年漫画的な方が好きな読者だってそりゃ、いるでしょ。


107Pのよしながさんの意見は重要だと思う。

BLに関しては語れることがあんまりないからなあわたし。

「少女漫画はきちんとお仕事が描かれてない」と思ったひとにりぼんの「株式会社ラブコットン」読ませて感想を聞いてみたいがwww(前述の「フォーマット」に当てはまらん作品の代表選手のような気がします)

昔の少女マンガには恋愛だけじゃないものがたくさんあった、というのが本当なら、過去に回帰してるのかね。

そういえば、「月の夜星の朝」の終盤で、怪我を押して試合に出たがる遼太郎が翼君(C翼)とうっすらかぶったんですが、コレを男性が読んで面白いと思えたのってここなんかなあ(と、文庫解説を高橋陽一が担当した理由を見たりしてw)。

P115 それじゃ少女漫画と変わらんのと違うか。
NANA」のハチ公を「一途じゃない」って理由で叩く中に、男性がどれくらいの割合でいるのか知りたいぞ。

P118〜9 爆笑。特に「女装は日本の伝統なのに」発言。でも、「女の子に憧れる」タイプの男性にわたしは複数会っているから、ここは賛同しにくい箇所です。増えて欲しくはあるんですが。

P.122後半。ああ、あたしが「おしゃれに興味がなくはないのよ」的な妙なアピールをしたがる原因かもここwww 母親からの抑圧の部分かも。



P136「少女漫画で大ヒットを記録したものは実は評論の場で取り上げられていない。それは評論家が読んでいないから」
女性の評論家はもっと増えてった方が良いんだそうです。自分の読んだ漫画のことしか評論できないから。

「よく知らない人にとっては男性同士の同性愛行為が1回でもあったらBLなんでしょう」あー、そういう角度から「紳士同盟クロス」を批判する人の心理的な原因てこれなんか。なるほど。
あたしは、BLは、漫画だとホントに読んでないけど、今の赤字部分の発想が安易だということだけはわかるぞ*6

P143 自分が見つかったページかも知れない(言い換えればあたしは大変馬鹿だった)。

「対象読者に近い境遇の子を最低ひとりは入れろ」というのは時としてすごく大変。メインキャラの娘とかにしてねじ込むことも有り得るかもしれないけど。
というか、いつから、女の子向けのフィクションは、「読者が共感しやすいこと」第一になったんでしょうか?

P162 日常が退屈でつまんない、と思った記憶は少ないな。「出会いがない」と嘆いた記憶もない。
後者は弟から証言とってありますwww


妄想のほうが快楽としての純度が高い・・・・・なるほど、


P169「既得権が男性を不自由にしている」
これはよく覚えておくほうがいいんでないでしょうか。

P209「やおいは男同士だけじゃない」発想がここにも!(喜)
あの高河ゆんのインタビュー何処行ったんだ……。
このふたりってカッコイイね、でもいいんかな?


P224 いろいろな漫画があって、いろいろな漫画を知る機会は基本的に平等にあるべきだ、と思わせてくれることが書いてあるページ。


P226 前半は、よしながさん鋭いなー。後半は、コアにハマってるりぼん読者はよく読んどきましょう(苦笑)*7


読者層ごとの雑誌の住み分けの弊害みたいなものについても、後日書きたいですな。


「読み解く努力が読者側に何にもいらないエンターテインメントなんて面白くない」
そう思ってなかったら、楽しかったはずの漫画を描くことが描き手にとって辛いものでしかなくなるのかもしれない。


P242 P67で拾い忘れたこと(似た話題なのでここで書くわ)だけど、初めて生理が来た時の嫌悪感というのが、あたしはよしながさんとズレた理由でわからないんだよな。あたしはそういう意味での成長が同級生の中で遅くて、母娘でとんでもない心配をしてたくらいだったから、だから初潮が来た時は「やっと人並みになったか」という感覚だった記憶があります。3ヵ月後には面倒くさくて、「来なきゃ大変だけど来たら面倒なんだね」と母と話していましたがwww
ネガティブ思考の癖に自分に甘い・・・・・・あるある。


P261からはしばらく、「NANA」の読み方の一端のような話になっていきます。そして


「男の人が今までやってきたことを男女ひっくり返して描いているだけなのにな。俺とお前はずっと友だちで、妻や彼女とは違う絆で繋がっているじゃないか、ということなんだもの」


というお言葉が出てくる!
この解釈がホントだったらあたしはきっと「NANA」に拍手喝采を送るだろう、いつか読んで確認したい、と思ったんですが。それをするには単行本20巻は多いよ、ママン……www
上の赤文字の後半部分って、先にも書いたけど、ある時期からすっごく嫌だったんですよね。単に自分が仲間はずれにされるのが嫌だからなのかな、と思わなくもないんですが、排除してるように見えるのがすごく嫌い。恋愛関係ならともかく。その辺が、ミソジニー嫌いになって、ゲイとミソジニーも結びついて、ゲイとは友達になれるわけがないと思ってたんですが。
あ、今では、そうひとくくりにしたものではないと思っています。あと、自分には自分の領域があるし、他のひとには(自分とどんな関係でも)自分に入っていけない領域がある。ほっとかれてる時には自分ひとりや他の誰かとしたいことをしようというタイプだったじゃないか。だから、恋愛の相手次第で臨機応変にという感覚でしょうかね。今はねw


P264「間接的に小さなお友達をマンガ好きにする」よしながふみ実体験編デスw 読んでみてください。そして大人の皆さんは、こうして小さい子にきっかけを与える時代になっているんだと思います。

萩尾望都先生の場所からはあまり取り上げないでおきます。だって先生の作品の数を読んでないからw(去年「完全犯罪」読んだ際に地獄を見るほど読んでないので。で、某はてダで゙修行するようなこといったけどまだ手をつけてないので。だからご勘弁を)

*1:メッセンジャーのログを取っとくとそれはけっこう可能核爆

*2:はみだしっ子も後で読んだがw

*3:女主人公和希を暴走族の世界に導く最初のきっかけをつくる同級生。当時人気だった新田恵利がヒントだと見ただけでわかるキャラデザが特徴w

*4:前にも書いたが、BIGNET調べじゃLaLaのが売れてるという結果が出てますからね

*5:だから、男性の漫画好きの中には、白泉社の少女漫画と相性が合うひともいるわけさ

*6:特に紳クロの場合は、メインは男女間恋愛だからね。どこ見てんだこの読者、と思ってます。メインカップル以外に同性同士のカプがいない、というBLGL漫画は、探せばけっこうありそうだが。尾崎南の「BRONZE」なんか、わたしにはそんな印象ですけど

*7:って、この「sデザイナー」の注釈の書き方が話の文脈と合っとりゃせんがな。どっちか言うとBLより……苦笑