「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

「図書館危機」感想


結局、ほぼ1日かけて読破しちまいましたわ。

で、どこから書こうかな。


本文中郁が、よく「170センチ戦闘職種女」という言い回しで自分をオトしていますが、そのあたりにジェンダーバイアスを見た気がして、174ある私は読んでてつらいわー、と(しかし、郁ちゃんは、柴崎曰く「白の柄入りパンスト履いて足が膨れて見えない女なんて素人じゃ滅多にいないんだからね」という美脚の持ち主である)。

内乱あたりから「キャ――――ッ!」っていう郁の悲鳴も増えてたりとか、この点を含めて読む前にいくつか受けてた入れ知恵がそこここで納得できてニヤついたりさ(キモい上になにか間違っているからそれ(。

第1話「王子様、卒業」

手塚の兄さん(今回も暗躍しまってんだよなー。こいつの言うことはよーく熟慮しないと下手に話に乗ったら大変なことになりかねんヤツだ)に憧れの王子様の正体を知らされた郁ちゃんはそれからしばらく大パニック。ここでの小牧さんの助言は好きだなー。
でも、この「王子様」っていうキーワードが堂上教官についてどう地雷なのかの中身がわかっていないから、「嫌われてる」と思ってしまう→ちなみに今回彼女は身近なふたりの人物に「嫌われてる」と思い込んでいて、このあたり単純だと感じるが、そのあたりからも後の展開からも彼女が成長していると感じますね。あとは、手塚の成長と。
大活躍はなんと言っても玄田隊長か。

で。堂上さんは、いくらなんでも手紙まで見ようとは過保護ではなくて過干渉の域ではないでしょうか。これはちょっとパスです。

でも毎回頭をくしゃっとやられている(LaLaでも名物なような)郁ちゃんはうらやましい最近の私(身長的になまじ、ねえ?)。

P.17 政府答弁って……あのー(二の句が告げない)。

で、メイン事件は、小牧教官の彼女の毬江ちゃんが図書館で本を物色していて痴漢に遭ってしまったと。
本を選んでて痴漢に遭ったことはない上に、その種の被害にあってたのが記憶の彼方の話なので*1、とりあえず聞いていることしかできんのですが*2
で、被害直後に小牧さんに家まで送ってもらって、毬江ちゃんが言った台詞。これは別冊でチラッと見たあたりへの伏線なのかもしれないなと思っています。
で、柴崎と郁ちゃん使って囮捜査ね。なんか好きでしたこの辺の攻防戦。ここで囮として郁ちゃんが使えるか(拒否する段階で上記のオトしネタを使っている第1回ね)、という隊長の問いに対して堂上教官がいった台詞がなんだか萌えビジネスの会議でも応用できそうだと思ってしまったのはいったい。
犯人逮捕の際の柴崎の楽しそうだったことったら!
オチも、ある意味彼女らしいよね(笑)。

第2話「昇任試験、来たる」

P.64 すげえ会話。

「予想外の事態に投げ込まれた時に弱い」ってA型と長子の特徴なんだよなー。他にA型は感情的で(これは弟でさっきよくわかった)、腹をくくったり居直ると……危険なのデス皆さま。


郁に柴崎、手塚が受ける試験。実技編は、子どもに読み聞かせをするというもの。子どもと同化して楽しむタイプの郁に対し、子どもが苦手な手塚が大苦戦というけっこう珍しい話。郁ちゃんがやった企画は本当に見事でした。柴崎もすごかったが私はその怪談をよく知らんのでこれ以上はパス、ということで。
他に、手塚が試験勉強がてら(柴崎と)参加した子ども向けイベントで、めっちゃくちゃ見事に子どもをあしらう柴崎を見て、ちょっと意識し始めてしまって、それがお兄さんとの関係にも影響していく、とか、りるさんのところで話題になっていた「カミツレ」の意味が判明したりとか。
ある意味「フラグが立つ」話でもあるのかな、これ。
上官ふたりの会話もイイ感じ。

第3話「ねじれたコトバ」はかなり繊細な話。

折口さんがメインでもあります。彼女ってこんな仕事もするのか、とちょいとびっくり。美形な若手俳優さんがゲストキャラ(イメージは妻夫木か?)。
差別されてると思われてる当事者は実はそう思ってもなくて、逆に誰だそんなこと決めやがったのは、とキレたり。
差別の構造の正体のようなものもかすかにわかるね。
女の子のキャーキャーっぷりもスゴイが。
玄田隊長がアイデア面で大活躍でした! けっこう好きだわこのひと。笑いもとってるし。
若い娘ならではの情緒、かあ。昔は……多分人並みにあったはずなんだけど。

第4話「里帰り、勃発――茨城県展警備――」

このシリーズは元から異常な状況の話だけど、それを更に異常にした状況下に飛び込んでいっている話だった。とあたしは思う。あと、親子関係のことも思ったり。

前に書いたスポーツドリンクの話の手前にも、やっぱ郁ちゃん子どもかな、と思わせるあたりが。柴崎の負担を減らしてやりたいと思う手塚をあたしは素直に応援したいなあ。

あ、バスの中で「ツタヤがある」と言って郁ちゃんがはしゃぐシーンがあるけど、2020年前後にツタヤが新規開店するような場所ってあるかな、という違和感が沸いたが、これは、後で書く物流関連の意味でも、このお話の状況下という意味であってもしかるべき違和感のある台詞なのかもしれない。


郁ちゃんのお母さんはずっと寂しかったのかなと思った。ひとりだけ産んだ娘が、息子たちのように喧嘩っ早くって運動神経ばっかり良くって。家庭や地域くらいにしか居場所がない分、疎外感も強く感じてたんだと思う*3。更に、かつて、男4人が幼い郁ちゃんに怪我を負わせたせいで彼女の件でお母さんに何も言えなくなってしまう。それが実は郁ちゃんを実家から逃げさせてたことになってしまったのに。
「親というものは自分が決めた合格ラインに子どもが達していないと容赦なく子ども扱いする」というのはどこの家庭も同じみたいで。あたしは「子ども扱いされるのも親孝行」と思えるにはまだ修行が必要かな。

で、茨城の図書館業界の異常さが、大規模攻防戦やら権謀術数やらに全部直結していた。


第5話「図書館は誰がために――稲嶺、勇退――」

手塚と電話で話した後の柴崎に話しかける稲嶺司令……い? ぎょっとしまして、ああ、と。

水戸の女の子達、手塚も頑張ってた。
初めてひとを銃撃して嘔吐する郁ちゃん。
あたしはこういう戦闘シーンを読むのにはあまり慣れていないので、何がどうなってどう動いているのか想像しづらくて苦労が多いんだけど(だから書くことも出来ないし。それ考えるとすごいよなー)。


あたしはガンダムWを好きだった経験があるので、武器をとらないということの意味についてはもう一度考えてみる必要があるんだけど。
実はこういう状況というのは内戦状態と一緒だから、現実にこうだったら貿易が出来ずに物流が止まって国民の生活はかなりおかしなことになってしまっているはずだとあたしに(このシリーズに関する)入れ知恵授けた人が言ってたことがある。この発想が出てこないあたり(まあまだ1冊目の50P読んだくらいだったとはいえ)、まだまだかなあと思わされもした。


司令部庁舎を出る稲嶺司令を見送る中には並びたいな、と思ったんですがね。


茨城の図書館長の感覚は社内の出世レースに汲々とする男のそれじゃないかと。ひどいよなー。ことなかれ主義。あと、希望しない部署に、前向きでない人間を置くと、そこの仕事をバカにして、結果空気が淀むのかもね。

1冊通して、あれ、このふたり関係性の割にいやに密着場面多くない? という突っ込みもしたくなったし。「甘さ」の正体はこれなんですかねえ。

あと、このシリーズって、社会や対人関係における女の子がよくやる問題点も容赦なく書いてるんだよね。女の子の本音もかなり出てくるから好きです。

ポイントがいっぱいあっていっぱい書いてしまいました。2時間近くかかっちゃったよへへへ。

出羽。

図書館危機

図書館危機

*1:多分24,5くらいまでの話じゃないかな。千代田線で物凄い目に遭ったこともあるが

*2:電車が複数回と、銀座の映画館1回亀有のゲーセンが1回汗

*3:これって依存心の強いひとに多いものだと自分が最近やった心理テストに書いてあったのの応用なんですがさほどはずれてないかもね