昨秋、はてなと講談社界隈で? 盛り上がって……まだ最終関門終わってないんでしたっけか。
はてなで仲良くしてくださっているid:boilednepenthesさんが第4関門まで残ってたので知ったこのお祭り騒ぎなのですが、百合を扱う門下生がいるとのことでよりいっそう「コレは行った方が良いな」と思い、とある百合仲間を誘って行ってみたわけです。
仲良しだからとの贔屓の引き倒しだからでなく、ミヒロさんたちがつくった「腐女子の履歴書」のが好きですが。
まあ、その感想を少しくらい書いておきます。どうも、明日ひょっとしたら知人に貸すことになる可能性があるのでね。
まず「チョコレート・てろりすと」の方。表紙はこちらで該当記事を探して見ていただいた方が良いね。ミヒロさんの本もそうしてくださいませ。ちなみに、中表紙が「なんのメタファーだこれ」と、きちんと再見した私に思わせたえろさでしたが(滝汗
根本的に、扱うテーマが『少女を問うこと・問われること』だったので、今思うと実は、「百合だけをめあてにするとやや肩透かし」になるのは仕方のないことだったのかな、とも思う。
「コミック百合姫」編集長インタビューや「Carmilla」のもと編集長井上メイミー女史のエッセイ・ゼロアカ参加者・ミネオさんとこの本の編集者・筑井さんの対談*1、穂村弘の短歌に佐原ミズがイラストをつけるなんて豪華なページまであるから、読み物としてはここまでは満足できるかもしれない。百合姫のビジネスモデルが読めるのは良い収穫になると思う。「キャラをオトコに差し替えても通用しちゃうのは違う」ととらえてくれているのは、ある意味嬉しい話ではないでしょうか*2。
そうそう。「自分が暴力の主体となることを恐れている」からと言って、「セックスなんて言語道断」という方向につながるのはなにかおかしいと思うのですが、と言ってしまうのは、ワタシが「優しいえろが好き」な人間だからでしょうか。それは分裂させて考えることが出来ると思いますよ。
雑賀さんが書かれたものはワタシには合わなかったかな。小説は入っていくのにすごく時間がかかったし。批評は今読み返すと「じゃあそうじゃない話をアタシは書きたい」と思ってしまうので*3。
内容が拡散しているという印象を(普段「アタマと最後で書いてある内容が違う」文章をよく書くと言われるこのワタシが、こう思ったんですよ!)持ったのは、最後の方に「少女」というテーマと関係ないかな、という記事が見受けられる点だろうか、と思ってみたり。「論壇人チャート」はお遊びとしては良いかと思わなくもないけど*4。
本来片仮名で書く単語を平仮名表記にしてあるタイトルはすごく好きです。
思ったより時間かかっちまったなー。
もう1冊。こちらが編まれた「腐女子の履歴書」ですが、途中まで再編集ものの文章になります。購入直後にざざっと某所で書いていたヤツでありますwww
私は今回、自分がかつてぱふを読んでたことがこれほど脳の血肉になっているのかとしみじみしたよ。
だって、履歴書提出者があげた「人生を変えた作品」、聞き覚えのないタイトルの方が本当に少なかったからwww あるページなんか、ひとつを除いてみんなタイトルだけは知ってたけど*5。
30代より若いひとたちの話が、「あったあった」感覚が湧いて出ましたわwwwだから、「こういうところはあたしにもあるぞ」ということはずいぶん書いてあった。
たとえば、既にある作品で恋愛関係にない男2人をカップリング読みした経験は希薄だが、ルビーとかの90年代のBL小説は立ち読み含めていくつか読んだものね。フジミとかタクミくんとか。
だから三田菱子さんも、名前だけはルビーかスニーカーの広告で見たことがあったし。前にどこかで書いたが「炎の蜃気楼」は18冊目まで読んでたし。漫画は「風木」や「トーマ」も入れたって5つも読んでないんだけど。漫画でBLは摂取してない傾向あり。話がずれるが映画「御法度」もやや引いてたので、ビジュアライズされるのは苦しいのかもしれない。「これって(今で言う)腐女子にウケるだろうなー」という予想を立てたことはあるけど、実際に妄想をしたかというと違う「ふたり」がいる、という経験があるのが皆さんとアタシの違う点だろうか。本当に小さくだが波が来たのが「赤ずきんチャチャ」のリーヤとしいねちゃんだったりwww*6もひとつ予想したのは……とりあえずやめとく、と書いとくwww
確実になんらかの絆や親愛の情や友情はあるよね、と思う。だから、友情が確認できるふたりや、極論を言えば「言葉を交わしたことがある」者同士なら、カプ萌え同人誌がつくられることに対して納得がいくようになっていきました。
ココまでは読了直後の感想ね。
評論というと少し違ってきそうだけど、この本は、「腐女子と(一般?)男性オタクとの間の架け橋になるアプローチ」としては、完璧に近い仕事だったのではないかと考えている。
となると「誰々は俺の嫁」派にどう寄って行くか、が今後は必要となるところかな*7。
特筆しておきたいのは、西炯子先生の萌えポイント*8。
「恋愛未満だけど離れられない2人」の関係だそうで。
BLというか腐女子の世界にこういう発想もあるんだよ、ということを知っとくと、「百合の定義論争」にも、なにか巡りはしても役に立つことはあるような気がしました。
ちょっと書けないことも見つけましたが*9。
まあ、皆さんお疲れさまでした。
*1:ここで「春夏秋冬」が選ばれているのは、百合姫編集長インタビューが載っかっていることによる大人の事情という考え方もあるよ、と言ってみる私。百合姫レーベルの単行本で一番売り上げだしたのはアレではないかと思いますし
*2:ただ、今のワタシは、「別れの理由」だけはそういう差し替えが利く理由で書いた方が良いような気がしています。もちろんストーリーや設定にもよりますけどね
*3:百合でも男女ものでもこれからは、「あたしだけが見つけた宝物」的なストーリーを読みたい気持ちがあるんですよね
*5:知らなかったのがえみくりさんの同人誌だったという。笑みくりさんという名前には聞き覚えがあるけれどwww
*6:流川と花道が好きでショタがオッケーなひと、という条件をつけてた記憶がある
*7:ワタシ「電波男」は読んだんだけどね。そういえば、コレの著者の本田氏の恋愛観がすごく乙女だ、と語っている漫画ガイドを最近立ち読みして「へえ」と思ったが。この本は「OL進化論」を高く評価しているところが大変嬉しかったのだけど。どう乙女かというと「ありのままの自分を好きになって」という点ですので、私の「乙女な恋愛」観とは少し違ってしまうのですが
*8:「描きたいもの」と言い換えた方が良かったかな?
*9:書けるくらいまとまったら書くつもりだよ