「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

イギリス人は「理想」がお好き

イギリス人は「理想」がお好き

おととい図書館へ行って、いっぱい本を借りてきました。
その中の一冊です。
すっごいインパクトのある内容ですよ。

こんなタイトルなんで、「いかにイギリス人が理想というものを高く掲げて、それを達成するためにあきらめないか」ということを実例交じりでつづった本です。
日本人との国民性との違いは、地震や火事や洪水でせっかく建てた家も流されてしまうのであきらめることを知った日本と比べ、一度建てたらなかなか壊れないレンガ造りの家に住んでるからじゃないかというご意見だったと思います。幸せと理想に対して妥協しない国民だから国教会が広まったんじゃないかと。


イギリスでは医療はタダです。NHS(国民保健サービス)と呼ばれる租税を財源とした医療制度を実施しており、社会保険ではないのが特徴です。

収入がない分給料が安いからか、医師も看護師も有色人種しかいないそうです。国になり手がいなくてよその国から来るわけです。バングラデシュから来た医者には「バングラデシュでも医者足りないんじゃないの?」と突っ込みいれてました。
で、性転換手術・心臓腎臓移植手術・盲腸の手術、なんでもタダです。
入院患者から食費くらい取ったほうがいいんじゃないの? という意見が発表されてましたがね。当のイギリス人からしてみればとんでもないことなんだそうですよ。
耳がおかしいんでかかってみたら、「再来年の8月」(この本は2002年の発行なので2004年)に予約入れられたとか。

不妊治療をして、体外受精で三つ子を授かった夫婦が、第三子の養育費用約1700万円を求めて訴訟を起こしたとか(1人か2人でよかったのに3人も生まれたから子育てに忙しくて商売できなくなったから、ですって)。
体外受精って妊娠しにくいそうです。だから健康な子が3人も授かったらラッキー、と日本人なら思いそうですが、イギリス人にとって体外受精の失敗は「絶対あっちゃいけないこと」らしいです。
「理想の社会」は「医療費タダじゃなきゃいけない」らしい。


若いのに頭金なしで大きな家を買うとか。
「難民とシングルマザーには家をタダでくれる」ことからある程度の自由がほしくなった娘は妊娠して家を出るとか(イタリアあたりと違って成長した子供と一緒に暮らすという習慣がない。なのに自宅介護にこだわるから老人介護は大変らしい。老人ホームに入るのに家を売るなんて、という発想らしい。家を売ると老人が生きる気力がなくなっちゃうんだそうだ)。
とにかく「持ち家」ということに賭ける執念はすごいです。
移民がぽんと家をもらって、同じレベルの家に住んでる一生懸命働いてる人が憤慨して殺人事件を起こすとか。サッチャー時代に「持ち家率100%にしよう!」となったらしいですね。で、手狭になったらとか給料が増えたらとかの理由でさらに大きな家を買うので貯金という概念があまりないんだそうだ。


あと、8月15日は対日戦戦勝記念日ということでその手の番組を多く放送する。
そのときのジャパン・バッシングはすごいらしい。
2001年ののニューヨーク無差別テロは、日本軍のパール・ハーバー襲撃にたとえられて、第二次大戦時の日本軍は(ま、ドラマでひどいことやってるように作られてるけども)、悪辣非道と思われてる。「カミカゼ」って言葉が英語圏では現代語らしい。昭和天皇崩御された時のイギリスの新聞の見出しがいかにひどいものだったかは本を読んで確かめてください。
「戦争にもルールがある」という言葉を聞いてガンダムWのトレーズを思い出すあたり、あたし、やっぱり好きだなあ。
「戦争は異常な状況だから」というところから「異常な行動に走るのは仕方ない」という日本人に対し、「だからこそルールを守りたい」と思うのがイギリス人らしい。ここでも「理想」ですね。
今までわかったことはこの辺かな。書き忘れと、まだ読んでない部分は読んだら報告します。