セクハラ気味だけどいろいろと愛のある男性キャラクターと、コスプレ・仮装大好きっぷりは既に炸裂している最初の出世作ですね。
文庫版です。

- 作者: 田中メカ
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この世に未練が残っちゃって、あの世へ行かなきゃいけないのに行きたがらない死んだばかりのほやほや幽霊さんを、あの世へご案内する、というお仕事をしている連中のお仕事風景がまずあって、そのお仕事に関わりあってしまったハタチ前後の男女ひとりずつとお仕事してる連中(こっちも男女コンビ)の絡みも見ものかな、というお話と言えばよろしいでしょうか。
だから、ヒューマン系というか、ほろりとさせますな感じですね。
初孫が生まれる直前に死んでしまったじーさんの未練をなくしてあの世へ送る、というのが最初の話。
で、堤円(つつみ・まどかと読む)くんは大学受験を控えた秋の夜中に、そんなじーさんとでかいウサギの着ぐるみが取っ組み合ってるという、実に奇妙な光景を見てしまう。しかもこないだオレはじーさんの通夜に行ったよな……?
イケメンナベシマの相棒・ゆずこちゃんも可愛いし。ナベシマにせつなく片想いしてる阿熊さんは、最初コワイばっかりだけど、今で言うツンデレに分類してはまずいかコレ。
阿熊さんの台詞でいちばんインパクトがあったのは、「好きな男の言うことでも聞けないことがある」という主旨の言葉*1。*2
えんちゃんがゆずこにスカートめくりする場面が、なぜか笑えるんですよ。コレが不思議です。まあ、横から描かれているので、スカートの中身は見えないのですが、この工夫は良いな、と。
ゆずこちゃんのコスプレぶりが可愛いですぜ!セーラー服もアイドル衣装もエプロンで若奥さん風も。見事。エプロンはえんちゃんも「なんかときめくカッコだね」と言ってたな。洗濯になに使ったかの細かい文字が見事だったしw
文庫2巻で見られるのは、その後の展開の中で、えんちゃんとせつないラブストーリを繰り広げてくれちゃう「ちさっち」ちゃんの笑顔の最強の可愛らしさとか。
幽霊さんたちの「透け感」の表現の上手さとか。
文庫3巻冒頭の、ゴージャス系美人ちゃんが*3、後輩の阿熊さんに寄せる執着は百合読みできるぞ皆さん、とかwww(コレはあんたならではの見方やと思いました皆さん? けっこう本望ですわもう。あっ、阿熊さん女子校でモテてるねw)
えんちゃんが、実は前述のお嬢さんと両想いだったんだけど、タイミングが悪くて確認しあうことも出来なかったってことが判明してからクライマックスへ流れていく切ないシークエンスは、うん、見事でした。ゆずこちゃんに一途で、仕事中に彼女を膝に乗せるなどいうことをやらかしてる課長も、よく考えるととんでもないことをやらかしてるのになぜか好きでしたw
セクハラするキャラを嫌わせないように描ける田中メカって、なんか、すごいひとなのかも。うん。
やたらと読みたがってた「苦いクスリに甘い嘘」は、美人過ぎて作るケーキを正当に評価してもらえないで悩む女の子がヒロイン*4。で絡むのはカラダは弱いけど自分の意見はハッキリ言う男の子。ラストの薬袋の仕掛けがああ、と、せつなさをもたらしてくれたりして、ラストページまで上手いなあと思えてきますなあ。
ざざっと、印象に残ったシーンとイントロと、メカさんのすごさみたいのを語ってしまいましたが、いいかなこれで(不安)。けっこう文章量多い?