「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

活字倶楽部2007年秋号に見る西山流腐女子論のようなもの。

雑誌の画像は貼らんので(貼った方がアフィリエイトつくのか? 今までまったく買っていただけたことがない。みんなの書店も月に1冊くらいしか買い手がつかず、今月はもうあと5日もないのにまだ1冊も買われてない)。

今回の特集は、「乙女と隠れ腐女子のための読書案内」。萩原規子×三浦しをんの対談(どうでもいいが、「ぱふ」を発行しているここの会社が対談に「×」記号を使うと、「わかっているのかこいつら」とか思わなくていいなー)。特集とは関係ないが、「ヤングガン・カルナバル」が大ヒット中の深見真インタビュウもあるので好きなひとは今から本屋に行ってくださいませ。


「はじめに」。カラーページで図解がしてある。
「作品の多様な読み方」→「キャラクター重視」。で、ここからみっつに分かれる。「乙女読み」「腐女子読み」「BL読み」なんだそうだ。
それぞれポイントを引き写す。

  • 「乙女読み」……主人公に共感/自分と置き換え

      ……擬似恋愛
      ……理想の男性/女性像   

  • 腐女子読み」……キャラ同士の「ありえない」関係性を妄想
  • 「BL読み」……男同士の恋愛が必須


で、それぞれについても少し細かい説明が文章でなされている。

しかし。
わしの場合、作品内に「マイ萌え要素」を見つけながら読むこともするし、キャラ同士の関係性を妄想することもする(後者はそれが濃縮されて同人活動になり、苦しくも楽しい思い出をたくさんつくってくれた)。小学生の頃から「キャラ×自分」という妄想はしたことがないかもしれない。
こういう奴はどうするのよ?
わしはガンダムWの男女カップルの同人誌をつくることで、このように身の置き所のない同人女たちをたくさん見てきた(誰もそゆことは悩んでなかったけどね。ガンダムWヒイロ×リリーナは仲間がたくさんいたから。気がつくとジャンル内一大勢力になってたし)。自分を「腐女子」とカテゴリしてるヤツもいたがそれはある意味正しいと思う。

2007-10-26 - 腐男子じゃないけど、ゲイじゃないでコメした内容を引き写してみよう(ちなみにこのエントリは本来は、うちでも10月21日に扱ったハリポタ作者の「ダンブルドア校長はゲイ」発言問題に関する話。ウチの当該エントリは途中からしょうもない話になってしまってすみません)。

(前略)腐女子の中には「優先順位つけたら男同士の関係がいちばんだけど百合も男女も好き」って奴もいるのにさ。ウチの弟は、さる情報で「いちご100%」という漫画の作者が少女漫画かつ同人誌出身でBLも描いた経験があると知った時から(いちごは、いわゆるハーレムラブコメだけど、そのハーレムラブコメのムカつく点にメスを入れたかのような台詞がたまに出てくるところが面白くて姉弟そろって読んでました)、「腐女子を馬鹿にするヤツより当の彼女たちの方がよっぽど懐が深い」と感じてその種の意見は斬るようになりましたよ。どうも彼女たちに興味が湧いたらしい。まあこういう姉もいるしね。わしは優先順位こそ違えど、キャラと自分でなくキャラ同士の関係性に萌えるので腐女子なメンタリティを持っていると思っていますが、「活字倶楽部」の最新号を読んだら身の置き所がなくて寂しかったです。(中略)だいたい、割と最近だけど、よしながふみあたりが「やおいは男同士でなくても良い、関係性だ」と言い、高河ゆんももう20年くらい前にそういうことをもっと自分本位な言葉で言っているし。誰か書いてたな、「そろそろ誰かがやおい思想史を書く必要があるんじゃないの?」って。萌えの世界はそんなに底の浅いものじゃないんですよーだ。ちゃんと伝わるといいなあこの意見(というには脱線しすぎ)。

ちなみに最後の鍵カッコ内の趣旨の文面が出てきたのはここやおいは男同士でなくてもいい: 日々雑感。わしもコメしてます。管理人さんと、やはり同様にコメしてらっしゃる方に比べると、感覚だけでここまで来て整理できてないせいか、わしのコメだけ底が浅くて申し訳ないけれど(なんか最近謝ってばっかりだな)。

要は腐女子はそんな単純な枠でくくれるものではないのだよ。まあ「優先順位一位は男同士」という者が多いから雑草社もああいうくくりにしてしまったのだろうが。なぜか性的少数者の人たちの気持ちを思ってしまった。苦悩の度合いは全然違うけれども、わしの場合、このメンタリティや属性や傾向が創作に直接つながってくるしひょっとしたらいつかメシの種につながっていくかもしれないし、そうなるとアイデンティティ(別の意味でのアイデンティティは一回崩壊してみくしの方でえらい迷惑をかけているのだが)の問題なのかなんなのか……自分はオタクの中の少数派だとは昔から思っちゃいたけれどそれをまざまざと見せ付けられた特集だわこの特集(と話を一時的に「活字倶楽部」に戻してみる)。

「揶揄するような奴らにわかられてたまるか」という気持ちもあると思う(だから世に「隠れ腐女子」は多い。だいたい、ちょっと話はずれるが、若者たちが昔から隠語というか若者だけの言葉をつくって使ってきたのもそういう「わかられてたまるか」という気持ちから来ていると思うけれど→特に「ダ・カーポ」という雑誌でよくやってたこの手の言葉の解明記事は、やってもムダだし、その記事が出てる頃にはもう新しい言葉ができてて記事に紹介された言葉はもう古い言葉だと思っていたわしである)。

まあ腐女子は、最近いろいろ記事になってるけど(「普通の」「モテ系」女たちと違ってうるさいことも言わなけりゃ必要以上にかまってかまってとも言わんから恋愛の相手として心理的負担が少なそうでどうだ? というものが大半だが。それはそれで男の都合だけが見え隠れしていて首を傾げたりするけれども)

やおい思想史」というのは、やりがいのありそうな仕事だが、会社勤めしながらできる仕事かどうかよくわからない。大体わしBLの読書量が女オタにしては極端に少ないし。やってみたいがどうするか。手をつけている人間が既にいて、その人がわしよりBLの読書量が豊富で実力も取材力もある人なら手も足も出ないが(お手伝いはしたい気持ち)。

ついでに言えば「百合に萌える男たち」も、ある意味この種のメンタリティをを持っていると思う。みくしの一部コミュでは「腐男子・腐兄」という言葉をこういう人たちのために使っているし(ただしこういう連中の中には「百合はキレイだがレズは違うしホモはもってのほか」みたいな発想の輩はいるようだから注意しないといけないのだが。百合と「ビアンもの」にくくるしかない作品の違いはセクシュアリティを意識しているかいないかといわれているが*1、これはひょっとしたら普通の同性愛フォビアよりタチが悪いかも)。

ちなみに、大人はしっかりしろ - に し へ ゆ く 〜Orientation to Occidentの中にあった「あらゆる事物を公に自分の趣味に牽強付会してはばからない腐女子もいるのかもしれないが」という言葉はどんな立場でどんな趣味や興味を持つ人間にも当てはまり得ることだから、気をつけねばならんことであろう。たまに注意される。「たとえに使うものの範囲が狭い」というヤツだ。相手を選んで相手が知ってるよねという想像をしながら使っているけれども(ちなみに一回だけ知らなくても使ったシーンがあって「名探偵コナン」で哀ちゃんが「cancam」読んでるシーン。7歳女児が「cancam」読んでる*2、という言葉でもちろんキャラ名は出さなかったが、もちろん? 失敗した)。

まあ、わしと似た志向(思考でも嗜好でも良い)をもつひとの中には(やおいスキと一緒にされたくはないという気持ちをこめている者もいるのかもしれん)腐女子と呼ばれることを否定する者もいるし(実際、前述のカッコ内のようなことを考えていたかどうかは知らないが、わしがさるさる時代に「腐女子」の言葉を大きく使ったとき「違わない?」と指摘してきた人がいた)。そのあたり、2ちゃんの南海キャンディーズスレで「彼女たちに萌えるのは男同士に萌えるのと根は一緒」という指摘をしていたヤツの方がよっぽどわかっていると思う。

要は、「腐女子」という言葉を、男同士スキー(ホモという言葉を使おうとしてやめた)だけのものに閉じ込めないで欲しいなあ、というつぶやきでした。まる。長々お付き合いいただきありがとうございました。実は昨日は一日ほとんど泣いてばかりいたし、週末はこれからなんと著者校正というお仕事が控えているのだが、ちょっとスカッとしそうです。さっき間違えて登録されてしまったので既に中途半端な状態で読んでいる人もいそうだが。これが一応の完成形だからね。よろしく。

*1:もちろんしてる方が後者

*2:そんなに単純ではない漫画だが。ちなみにこの漫画も、ジェンダーを問わず幅広いカップリングが出来る良い漫画である。単にキャラが多いだけかもしれないが刊行点数も多いしな