非常にお久しぶりのBL小説のレビューです。
読み始めてしばらくして、「これ、レズビアンが読んだら、『きのう何食べた?』と同じ感想持つんじゃないの?」とか思っちゃいました。
閉じます。

- 作者: 榎田尤利,木下けい子
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2009/03/28
- メディア: 新書
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ある夜、花島くんという就職活動中の32歳は、コンビニである男性に赤飯のおにぎりを譲ってもらった。背は高いけど、おしゃれというより誠実なひと。で、再就職したビジネス書籍の出版社で、その赤飯おにぎりを譲ってくれたひとと再会するが、彼に企画をケチョンケチョンにされる……
てなオープニングのBL小説です。本来2冊だったものを1冊にしたようなので、だから読むのに時間かかりましたー。この本の存在知ってからどんだけ時間かかってんのアタシ。本読むの遅くなったよなあ……
と、アタシのことはいいとして。
ゲイとして生きてるコーちゃんが、花島くんの友達の連絡の取れなかった従兄弟として登場して、リアルなゲイの生き様を担当しているのですが、受けらしい花島くんが、32になっても何人かから「可愛い」と評されているあたり、「BLだなあ……」とか思ったりして。攻めが背が高いのも「BLだなあ……」
コーちゃんが商売離れるとオネエ言葉じゃなくなるとか、後ろ使わないセックスとか……に「お勉強しました」感を持つひといるんじゃないかなあとか思ったわけです*1。
あと、後半の「普通の恋」では、花島くんが、誤解と思い込みを抱えたまま依怙地になっていく・的場さんも変な見栄張って素直になれない・様が書かれていて、誰かが「少女漫画の典型は、主人公が話を聞かないで、妄想だけで突き進んですれ違い勘違いを起こす」とブログに書いてたことを思い出しました。
ぶっちゃけこれに当てはまるぞこの時の花島くん。
おっと、こっちの説明を少しすると、お付き合いを始めることになった2人だが、閨でひと悶着あった後、仕事相手の経済学者が花島くんに興味持ったり、この経済学者と仲良しのフリー編集者が的場さんの元妻だったりで……てところから話が転がっていきます。
もともと、攻めキャラ的場さんの、「おしゃれというより誠実そうな普通のひと」というところに、これからトラックバック貼るブログでレビュー読んで惹かれてこの本買ったのです*2。彼氏役が普通っぽいというBLなり少女漫画なり読みたいけど無理かなあ……*3
小説としては面白かったです。
食事中の描写とか、仕事のことを深く書いてあるところとか、見習わなきゃなあと思わされました。
あと、背表紙の「(前略)思わず恋がしたくなる物語!!」というあおりは伊達じゃないなあと思いました。恋、したくなりましたからねえ(笑)。
思うところもあるけれど、楽しめた1冊でした。
(以下追記)花島くんの友達の若宮くんがアルコール依存症を克服して断酒中、というのの細かさに、これってなんかのスピンオフ? とちらっと思いました。