「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

京都ぎらい

三橋順子先生のブログを読んでいるとよく見かけるお名前に、井上章一先生とおっしゃる方がいらっしゃいます。その井上先生が、京都新聞のコラムにあることを書いていて、それを見つけて私が脊髄反射したら、三橋先生がそれを見つけられて、いろいろ教えてくださいました。

https://twitter.com/piaf7688/status/908370011319701504

洛中というところに古くから住んでいる者は洛外や市外の者を馬鹿にする、ということを指摘したコラムで、今回はそんな本です。

読んでいて、視野の狭い話だな、と思わされましたが。洛中って今日、地代高いのかな、とか思った。東京にも、23区じやない「市」は都内と言わないけど、それを差別につなげる人間には、多分私、会ったことない。母親が気にしてたけど(母親は田舎者を馬鹿にする人である。こういうところは尊敬できないし理解もできない)

井上先生曰く、街によどむ瘴気、なのだそうな。

こういうのも中華意識というらしいです。
市外の人には独特の訛りがあるらしいと、洛中の人はいうようです。

ある時、井上先生が酒席で知り合った女性が周りの客に愚痴をこぼし始めたと。女も30を超えるとおしまいだ、と。いい縁談が来なくなったと。
どういうことか想像しながら先生は女性に、どんな縁談が来るようになったのか、と尋ねてみた。

すると、こんな返事が。
「とうとう、山科の男から話があったんや。もう、かんにんしてほしいわ」
地理的な条件が落ちたっていうのか。
「山科の何があかんのですか」
と聞くと「そやかて、山科なんかいったら、東山が西のほうに見えてしまうやないの」
と答えた。
ここを読んだ後、京都で在来線新快速に乗ったのでわかるが、山科は京都駅からJRで次の駅である(トンネルがあったり、距離があることはあるが)
ここを読んで、視野狭いなー、と思わされた。ただ、4.5年にいっぺんは引っ越す人生だった私にはわからない感覚である。
住んでる土地が都会か田舎かで、軽く喧嘩したことのある人はいると思う(特に高校あたりで)。これに参加したことはないのだが、当時から馬鹿馬鹿しいと思っていた。これの根深いバージョンかな、と思う。そこまで、育った土地に執着できるのは、実はけっこう羨ましい私だ。
宇治を故郷とするレスラーが京都出身というと僭称になってしまうというから恐ろしい土地である。
他にも、大阪や東京資本のカフェを外資系というなど、けっこう驚くことの多い本です。日本人の他所さんを外国人並みに捉えるらしい(そういや昔、京都出身という女に、関東へ来たから外国へ来たと思ったことなかった? と聞いたら今でも外国だと思ってる、という返答だったな)

首都東京のメディアが京都を持ち上げるのもつけあがって良くないのだそうだが。
全国区のイメージをくらべればやはり京都は得しているらしい。

他に、京都の外国での捉えられ方や、芸妓舞妓と坊さん、江戸時代に仏教界に幕府がしたことが、職人の腕の向上につながったり、裏日本史的なことも書いてあります。裏日本史的なことを知りたい方、京都府出身在住の方とお付き合いや結婚する方は読んでみると良いかと。
あと、妙にひらがなが多いのが、印象的でした。

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)