「春の雪」感想

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

やっと読み終わりましたよ！ 8ヶ月かかりましたよ！ 途中からイライラして、読むのやめようかと思ったよ！

悲劇というけどね、ひとえにね、このお話、主人公がくだらないプライド大事にしてないで早くヒロインに会っていれば、丸く収まっていたと思います。これ、拡大フォントで書きたい。後へ行くほど主人公の恋心は募っていくけど、宮様の婚約者となった幼馴染に禁断を見出して逆上せているだけで、本当の恋なのか怪しいもんだとあたしは思う。全く同情できない。
蓼科や聡子がアプローチしているうちに会っておけば良かったのに。まあこれじゃ物語にならないか。でもそう思う。
ふたりがはじめて結ばれたあたりも、なんだか淡白で、え、本当にしちゃったの？ と疑問を感じた。会えなくなってから主人公が思い出す、(以下転載)「着物の下の聡子の体を、自分は隅々まで知っている。」(転載終わり)ぁてあたりの方がエロいなと思った。
結ばれてから、妊娠してからは、読むスピードがあがったけど、文章が硬くて漢字もわからない言葉も多いので、口の中でもごもご、とりあえず黙読でない読み方をしたので(こういう文章はこういう読み方をしないと頭に入った気がしないのだ)、余計時間がかかった。
この本は転生もののシリーズで、続きを読もうかとも思ったけど、さすがに続けて三島を読む体力？ はないかも。
あと、シリーズ語り部？ の親友本多くんが、なんだか健気だった。主人公清顕に都合良く使われてて。最後なんか常識に従うべきだと思ったよ。
妊娠してから後はヒロイン聡子の、清顕をきっぱり拒絶するような態度は良いな、と思った。まあ、ふたりとも、この後に及んで何言ってんだとツッコミたくなる箇所はあったけど。
あと、女には友情はないと言って本多くんと清顕の友情を聡子が羨ましがるシーンあるけど、彼女は学校へ通ったことはないのかしら？ 21世紀から見ると違和感。
とりあえず達成感だけかな。途中読むのやめようかと思ったよ。

追記:ラストで清顕は死ぬんだけど、聡子が死んで、彼が生き残って苦しめばいいと思った。聡子多分、その後の長い人生ですごく苦しんだはずだから(Wikipediaでいろいろ読んだ)。