マリみて読んであんな幸せな気分になれたのは死ぬほど久々でした。
ロザリオを渡そうとして、逡巡していたら、相手から「返事はデートで」と言われて肩透かし、というのは……カワイクもあり。
由乃と田沼ちさと嬢コンビは、かなりいいコンビ。
実は由乃にとって付き合いやすい相手なのでは?
ちさとは、派手さはないけど、部活をやって、自分を磨いて、しっかり生きてるコ。
書かれるごとに魅力が増していってるかも。
由乃は、最近幼児化してると言われるけど。
よく対比される祐巳は、成長しすぎて作者が書きづらいキャラになってしまわないか。ちょっと心配。
祥子が「作者が書く裏で作者が考えている以上のことを考えていそうなキャラクターだから」というのがあるみたいなので。
白薔薇サイドは、ある意味マリみての王道。
叙述ミステリ的、というのがマリみてだからね。
志摩子は今回、「山百合会の敷居の高さ」を表現する役どころに回ったのね。
現三薔薇(と言っていいでしょう!)の中でそれに一番向いてるカリスマがあるのは、やっぱ志摩子でしょ。そういう、スペックも高く、同学年の中でも特別な「半歩先行く存在」として書かれていたから。
最近は対等になれてきてるけど。
萌え系の破壊力もすごいし。
最近の刊の、萌え系でインパクトのあるシーンって、たいてい彼女でしょ。
「由乃さんのこと好き」とか、「乃梨子のカード探したかった」とか。
さて、祐巳と瞳子。
折に触れて萌えシーンがあったけど、今回はまるまるふたりのための巻ですよ!
やっと彼女の本音が多少聞けたかな。
ここはもう少し深く読まなきゃいけないんだけど。
瞳子の、祐巳に対する本音。
でも、彼女が再び演劇をやる気になってくれて良かった。
ただ、彼女の家族も我々読者も、読み違いをしていたね。
彼女は女優になりたいもんだと信じて疑わなかった。
「おめでたい」。
松平家を継ぐことが、そこまで彼女のアイデンティティの核になってたなんて。
こういう、いわゆる、産みの親に育てられなかった子というのは、自分がいらない子だって言われることを非常に恐れてる。今思い出したのは、「西洋骨董洋菓子店」の神田エイジだった。この作品好きで、ドラマも毎週見てました実は。主題歌も大好きでCD買って一時期携帯の着メロにしてました*1。エイジにとっては、小野が救いになったんだけどね。エイジは小野にとってタイプじゃないんだけど*2、さすが稀代の男たらし、見事です(そーゆー問題じゃない?)。
「自分がいらない子だと言われることを恐れる」というのは、ある所属に執着すればするほど、起こりうる真理だけどね。

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