「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

一瞬の風になれ

同じ佐藤さんの、「夏から夏へ」という本を、今年わけあって読みまして。そちらを書くきっかけになった「一瞬の風になれ」も読もうと思い、今読み終わったところです。はあ。

閉じますね。

読む前にwikipedia読んだけど、キャラクター紹介読んで、なんだか腐女子受けしそうだな、と思ったのをよく覚えてる。紹介されてる女子一人しかいないんだもの*1
でも、女子が少なくても面白いものは面白いね。嫌な感じは沸かなかった。これには後述する理由もあるけど(これなら「SLAM DUNK」も嫌悪感持たずに読めるだろうか)。

スポーツを描くとき、可能性を秘めた主人公がいて、同じ学年で同じ種目をやってたり同じ階級だけどプレイヤーとしてタイプの違うライバルがいて、というキャラ立てって、王道なのかな? 過去に見たことがある。そんなにスポーツものを読んでいるわけではないけど。
主人公の神谷新二は、サッカーをやってたけど、ボールの扱いに自信がない。2歳上の兄がサッカー名門校でレギュラーを張っている(後にジュビロ磐田に入団する)。この家族の関係性がなんかおかしいのよ。兄弟で妄想する余地のある書き方だし、母親が兄にべったりでもあまり不服そうじゃないし(兄が磐田へ行ってからは母親も随分次男寄りになるんだけど)。
親友でライバルになるのは、一ノ瀬連といって、中学時代は離れてたけど、で、離れてた中学2年の時に100メートル走7位になってる天才型スプリンター。全国大会でだよ? この2人の書き方も妄想の余地のある書き方。
で、ふたり、春野台高校に入学、陸上をはじめました。100,200メートルをショート・スプリント、400ヲロング・スプリントと言って、後者をやってる根岸くんが、なんていうのかな、2人の助けになり、4×100メートルリレーも出る子。良い子。この子の実家が、「ホエールズ・マート オバQ」ってどう考えても野球ネタだよね大笑
先輩では、2年上のひとは印象薄い。1年上の守屋さん(主人公の前のクラブの主将)と占い好きの浦木さんが印象的かな。で、主人公、いきなり、インターハイ神奈川県大会の4×100リレー*2に出る。サッカーやってる頃から連に「ボールなきゃもっと早いのに」などと言われてるところが主人公の才能の出し方かな? 
それからだんだん、早くなってくる。
連は、1年の夏合宿で脱走しかけたり、他の夏休みを家族がいりイタリアへ行って恋愛したりと、やる気をなかなか見せなかったけど、監督の三輪先生がほどほどにゆるい先生で(30代前半独身)、2人は成長していく。
体の使い方なんかがきちんと書いてあるんだ理論的に。
で、個人競技と、リレーという団体競技とある。陸上ってオイシイね! と思いながら読みました。
天才がそばにいるけど、自分なりの走り方を、2年生の秋くらいからつかんだ、ところでお兄さんが事故に遭って陸上する精神コンディションじゃなくなったり。ここで観に行くのが駅伝。中長距離が主役の大会。ヒロイン? 若菜もここで走る。女子の短距離選手がいないと言い切っていいような状況だから、女っ気の少ない小説になったかも。このあたりから投擲の溝井くん、中長距離の入江くんなんかもキャラが立ってくる感じ。特に溝井くんは最初は大食いから出てきたけど、3年生で新二と同じクラスになっていい光景にいてくれる。
で、3年のインハイの関東大会、100メートルと4継だけで終わって、200メートルはかかれないし、全国の様子も書かれなかった。と書いておこう。
1年後輩には筋トレマニアがいたり(走るより筋トレが好きって陸上選手としてどーよ?)。
その下入学していたことこの筋トレマニアが、チーム組まなきゃいけないのに仲間割れするし。で、ここで根岸くんの撮った態度は見事だった。とか。
他校他県のライバルは、王者ポジションの子がいて、王者の同僚で人懐っこい子*3あり、関東大会では性格悪げな子も1人いたな*4
なかなか濃い小説でした。女オタはこれ読んで同人誌つくるといいよ。今からでもアニメ化しないかね。ドラマにはなったみたいですが。
読んでくださりありがとうございました。

追記: しかし、恋愛に関してはリア充多い作品だなあ。

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副題もニクイね。

*1:やおい的なものを見ると、ひとに紹介するモードになるのは何故だ私

*2:略して「4継」ヨンケイと言います。この手の専門用語は「夏から夏までである程度知ってました。順番逆だなあ。何をやっても順序が逆な気がするあたしって

*3:高梨くんという。人気出そう。合コンに引っ張ろうとしたりしてたけど、最後の関東大会どうして調子悪かったのかは知りたかったな。それとも退場みたいな?

*4:この子は最後の100メートルで驚くことをする