上の釈迦みてを買ったときについてきた「乙女ちっく通信」に、同期発売として紹介されていたのが気になって、超久々にコバルトを新規開拓してみました。
- 作者: はるおかりの,由利子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/10/01
- メディア: 文庫
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読みます読みます!
おっと、こちらの感想行こう。
顔の傷に伴う呪われた出生のせいで、不遇な子供時代を過ごし、恐れられる王となり、妾妃たちに心を開かなかった男が、ものすごく美しい隣国の王女と政略結婚することになった。
この王女が面白い趣味思考や性格をしており、だんだん彼女と惹かれ合っていくけど、場所は後宮。一身に愛を受ける彼女に嫉妬が故の魔の手が……というお話。
いざ読んでみて、なんじゃい、婚礼の儀の際にお互いに一目惚れですかい、と思ったものの、ここから、お姫さま・桜霞(おうか、と読む)の性格が発揮されてなかなか面白い歩み寄り方をしていきます。ちょっとツンデレかもしれない。
で、彼女の出身国の設定が面白いので、そっちの話を読みたいなあ。
あ、後半は、他の側妾たちの嫉妬による、桜霞さんへの攻撃が壮絶なので、ただ甘いだけの小説じゃないですよ。
以下ツッコミどころ。
・桜霞サンの話し方がすごい古風。他のキャラたちの話し方は割と現代風なのでなんででしょうか?
・桜霞サンの侍女・歌艶(かえん、と読みます)サン。彼女を旧国の称号で呼んだり、出身国を「わが国」と言ったり、あまつさえ、王である理鷲(りしゅう、と読みます)を、王、とだけ、敬称もつけないで呼ぶってどういうことなんでしょうか。幕末に降嫁してきた和宮の侍女もこんなだったんでしょうか?
・ラスト近くで登場するキャラに、小説らしきものを書いているキャラがいて大爆笑! 「生身の男より紙上の男よ。美形で鋭敏で誠実で汗臭くない男なんて現実にはいやしないわ」発言で噴きましたマジ。腐女子か紫式部か(後者だな)。ほんと笑えました。
今見てシリーズになってるようで、驚きつつも、明日探してみようと思います。
以下追記。桜霞さん、素直に女官長の忠告を聞いたかと思えば、純粋なばっかりでもない一面があったり、勝ち気だったりと、私は気に入りました。死んだ妃の霊に乗っとられるあたりはろくに読み返しませんが。