いやー、すっげえいいもの読みましたわ。こんな言葉あまり使いたくないんだけど「神認定」しちゃいたいくらい良かった!
割とトラウマを扱うことの多いひとなんだけど、微妙にそっちにもかすりながら? 恋愛とそれにまつわる感情の動きだけでここまで濃いドラマを作ったことはホントに凄いと思います。
いやね、この巻の最初こそ。
芹佳と青クンのやりとりが「ワイセツ画像送ってくれようとしたとか?」とかってきわどいやりとり多かったりするんですが(で、「えっちなのはいいけど下品なのは嫌なんだよね」と言う。このスタンスわしの気持ちを代弁しててこれもこの漫画が好きなポイントである。基本はただのあまあまバカップル少女漫画なんだけどさ)。
いろんな世代の登場人物が(下は小学6年生。ヒロインは大学生で彼氏は高校生で、20代の登場人物もいるしヒロインの姉夫婦は30代前半→特にダンナがまったく出番ねえけどこの巻、あとヒロインのストーカー寸前幼なじみ遠山クンも)でもって芹佳の親父が会社の同僚と飲みながら彼らの子どもの愚痴聞いて「ウチの娘って親孝行だなー」と思うなんてシーンもあったぞ、あっココロが痛っ)てんでにばらばら好き勝手やってたらだんだん一枚の布に織り上がっていく(「1本の糸」と言うと語弊がある感じだったのでこう表現しました)のに、歩き読みしながら半ば興奮してましたよ(気ヲツケロ)。
7話冒頭は彼氏が後輩の、彼に片恋してる女の子(彼女の妹の家庭教師がヒロインだったりするのデス)にすっげえ過激な迫り方されるのですが、このお嬢さんと対峙する緊迫感の中「すっげえ、青クン将来絶対出世するわ」と、こちらさまのこのエントリ思い出してました。「http://heartofsword.blog40.fc2.com/blog-date-20070610.html」さまデス。
まあこの巻ほぼずっと芹佳の妊娠疑惑が話の線に横たわっているので青クンも決して合格点ではないんですけど、その気のない相手はきっぱりはねつけて色仕掛けにも応じないというのが、いかにもな少女漫画的な「一途なのね(はぁと)」というのじゃなくて、「できるヒト」の厳しさみたいなのが見えたわけですよワタシは。
これ、素直にすげえと思った。
あと、好きなのは芹さんとお友達とのやり取り。なんか野蛮で。
他、ここまで話の本筋にからんでくると思わなかった、青クンの予備校フレンドと予備校の小柄で巨乳な事務員サン。事務員サンがついた嘘はまあありがちな嘘だし、気持ちも親のプレッシャーも、まあ、あること。
そこら辺もうまく話に絡めていて、いや、マジで今回脱帽しました。
あ、藤崎さん、誕生日、おめでとう。またこんな作品、描いてね。期待してます。マジであたしに一番合ってんのこのひとかもしれないと思えてきたわ今回。
- 作者: 藤崎真緒
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2007/07/19
- メディア: コミック
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ちょっかいかけてきた見合い相手のオトコの妙な不気味さは消えてないんだけどさ。