- 作者: 千野帽子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以前この本にチラッと触れた時、「文化系女子」である選民思考(「あんたたちとは違うのよ」感)がすごく鼻についてムカついて、読み終わったら売ってやる、と思っていたのですが、なんか妙にいろいろ勉強になるのよねえ。戦前の少女雑誌の住み分けみたいなヤツ。今のりぼん(頑張って!)やちゃおかね。
いや、別に違ってもいいんだけどさ(と思い直す)、その「違い」を妙なプライドの基にしないで欲しい。
「若い女性に人気」と言われてる本が「いつまでも少女でいたい自分を肯定するF1層文学」にしか見えない
と書いてるけど(ご丁寧に「F1層」に「オバサン」とあて字を振ってね)、F1層からも去年の暮れに外れて「オバサン」と呼ばれても文句が言えなくなってしまった(でも、中学生以上からは呼ばれたくない悲しき35歳)オンナとしては、どうすりゃいいのさ、居直るか?
そういう文学趣味を持った女がどんなオバサンになるのか楽しみだわ、と意地悪をひとしきり言ったところで、本題に行こう。
まあ、「素敵な本に選ばれたい」というのはいいことかもしれないけど、大人になると何度も再読するような大当たりな本にはそうそう出会えないってば(あんたの日記見てるとけっこう出会ってるように思うけど? とおっしゃる方、それはそれで正解です)。
女子どうしだから解り合える、なんて嘘。女だからって、あんな女と一緒にしないでくれる?
ともあるけど、まあ「あんな女」と言うのは確かにいる。あたしも誰かに思われているだろう。でも、女をふたつやみっつに分類して対立したりヒエラルキーつくったりするのはもうイヤだ!
これ書いたの男性ですって? ああ、なおさらムカつく。勝手に女を分類してんじゃないわよ!
意地悪が止まらんなあ。
まあ、あまり簡単なことは書いてない。
夕凪晴海さんとおっしゃるトランスジェンダーさんがいらっしゃるのですが(http://www.yuunagi-harumi.jp/ 職業柄深い知識をお持ちで、こちらで幅広く勉強させていただいています)、この方が紹介してらした、高群逸枝「娘巡礼記」があがってて、おっ、とは思いました。
他、面白そうなのは、小泉喜美子というひとの「ダイナマイト円舞曲」、鈴木いづみ「女と女の世の中」かな。
「居場所のない女の子」「承認されない子ども」というのももう手垢がついてきてんじゃねえ?
いちばん好きなフレーズは「私の心にさはられるのが厭なの」。田村俊子の本の紹介から。
森茉莉は、最近浜松町に置いてあったのを買ったので、頑張って読もうと思います(けっこう美文調だなあ、だいじょうぶあたし?)。