「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

「フロン」第1回

続いて読んだのは、岡田斗司夫氏の本。
第一章のとっかかりまでしかまだ読んでいないけど、著者を知るのに非常にいい手がかりが書いてあるので紹介しておく。

元はこの本は、子供が出来たことによって、真剣に「父親になるというのはどういうことか」ということを考えて考えて、人生観が音を立てて変わった岡田氏が、「父親になる」ために最低限考えておくべきことを書くつもりで始まったそうです。
「父親とは、いまの社会、これからの社会に関して、意思と責任を持って行動すること」ということに気づいてしまうと、彼は、それまでつくっていたゲームやアニメがつくれなくなってしまったのだそうです。個人的に思うには、これって、父親に限ったことじゃないんじゃないかなあ。
で。
「そもそも岡田さん自身が今のオタク業界についていけない人物になっちゃった、っていうのがポイントだろうね」
という意味の文は、多分以前読んだことがあったのですが(多分http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20060524#p1)、それってこういうことだったのか! と目からウロコ並みに腑に落ちました。
本の本文P.23に「私は、それまでの仲間から離れ」と書いてるので、GAINAXを離れたのはこの頃でしょう。「SFチックで非現実的な物語を考えている場合じゃない」とも書いています。
彼はある種、オタクを「卒業」してしまった人なのかもしれません。それは、いい面も悪い面でもあります。悪いと思える面だけ書くと、「それまでの自分を捨ててしまっている」。「それまでの自分」にいいとこがあったんだから。奥さまは「それまでの自分」が良くて岡田氏と結婚されたんですからね、きっと。

オタクが恋愛する際に、ふたつ守らなければいかんことがある気がします。
ひとつは、こぎれいになっとくこと(うっ)。
もうひとつは、恋の相手と会ってる時は、相手に集中すること。
電車男エルメスは「美少女系の同人誌を読まないで」と彼に言ったそうですが、これって、「自分と会っていない時も」なの? それが知りたいわ。ひとりの時には何をしてたっていいじゃない。爆弾つくるとか以外ならさ。

2000年秋のあたしは。恋人を得るために今までの自分と決別するかどうかで揺れていました。その頃「BRIGHTEST HOPE」というガンダムWのデュオ×ヒルデアンソロジーの編集が佳境で、参加者様の原稿が集まって放り出せなくて、でも「こんなことしてる場合じゃない」と思えて仕方なくて、「あんたなんか産むんじゃなかった」って子供に言う母親の気分、になってました(これ見てる参加者様本当にごめんなさい!)。当時はコンタクト入れてたので比較的メイクも真面目にやってました。アイラインは引いたことなかったけど、マスカラは毎日つけてたと思います。この頃と、1998年は、真面目にメイクしてた。女は失恋すると、一生懸命化粧します! 賛成者ひとりいます!

結婚しても、子供を持っても、書き続けたかったのにね。
わたしは(一家そろって)ファンタジーが得意じゃないし(母はアニメも苦手。宮崎アニメにも興味を示さないのだ)、現実と地続きのお話を書きたがるけど。まあ、前にもどこかで書いたが、それまでの自分を捨てなきゃ前に進めない時もあるけどさ。

話を元に戻すと、友人たちを否定しなかったのはオトナなんだな。きっと。そういうのがあったら岡田氏今GAINAXの株主じゃないでしょ(なんでそゆこと知ってんだこいつ? そこまで子供じゃないか?)?

なんかすごくこのひと好きになりました。
ただ、男の人なのにどうして、こんなことに気がつくの?

この本のフィールドワークでいろんな人と「恋愛・結婚・家庭」について男女問わず話していたら女性に対する苦手意識も消えていたそうです。
そして、「女性になったつもりで考え」られるようになったというのです。なんでもテレビの仕事で出会ったおすぎ氏の発言がきっかけだったそうですが。
これを「おかまエンジン」搭載、と表現するあたりに、岡田氏が最初に何をして名を上げたか、というのが見えてきますが、あたしは、「そうか、このひと、精神的にトランスジェンダリングしたんだ!」と表現します。

オープニングに脱線しながらも字数使いましたが、著者がわかって非常に満足です。本の内容に期待できそうです。

フロン―結婚生活・19の絶対法則 (幻冬舎文庫 お 26-1)

フロン―結婚生活・19の絶対法則 (幻冬舎文庫 お 26-1)