「ざれごと寝言大事なこと」日記#6

西山香葉子という同人者の本性がわかる? ぺーじです。

阪急電車

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

春の雪を読んで、次は何にしようかついったーなどで募集したところ、マイミクシィから推薦がありまして、この作家なら文体読みやすいだろ、ちょうどいい、と読むことにしました。3日で読めた!

最初は図書館がきっかけの、微笑ましい恋の始まりだったが、次に、彼氏を寝取られ妊娠されて、その結婚式に白いドレスで出席してきた女性・翔子が登場してから、作者・有川浩の真骨頂。抉るえぐる。寝取った女が、一見人畜無害・実は男社会に邪魔にならないだけのしたたか女に描けてる。結婚準備してて浮気を生で、女にそそのかされてする、唆す女も唆される男も最低。
彼女に聞く(孫娘の好奇心から彼女を守ったんだけど)老婦人・時江は、どんな人生を辿ってきたのか興味を惹かれるかっこいいおばあちゃん。すごくまともというか、見る目のある女性。

彼女を見ていたミサちゃんのオトコは、思いやりも常識もマナーもない、どうしょうもないオトコ。でもミサちゃんも常識という言葉で責めず、マナーという言葉で攻めたら良かったのでは、と思う。誰がそんな常識決めた、と常識を疑うのは、場合によっては大事なこともあるけど、マナーは守らなきゃ。
でもこのオトコ、人目がないところだと殴らない、とか、後に出てくる殴った跡を携帯で撮るのを見つけて、消去する、というあたり、悪いことをしていたと知っていたんだね。知らないことを言われたらそうなんだ、で済ませたらいいのに、怒って、相手が自分を怒らせたと言っているあたり、ホントどうしようもないオトコ。腹が立つわー。ミサちゃん、謝ることないよ、と応援しながら読んでいて、別れて良かった、と思った。彼女の中学時代のエピソードも、その時は辛いけど、良かったと思えているなら彼女はいい子。

えっちゃんの彼氏のエピソードはおかしい。で、アホだけど優しい彼氏、自分をバカだと知っているのが良いと。アホだけどちゃんと彼女を見てる。
同じ教科書がきっかけで結びつく恋愛初心者カップルは本当に微笑ましくていい感じ。
面白くて、あっという間に読めました。キャラのそれぞれのその後をもうちょっと知りたいと思ったけど、お預けにされているのがいいんだろうな。